年商1000万から1億へ

 

 

 

 

 

当時、年1000万ちょっとの個人事業が億を超えたケースです。

 

相談内容はこんなことでした。

 

『売り上げが徐々に下がってきているんです。

このままでは、従業員を雇い続けることが難しくなってしまいます。

私にとって、大切な人たちなので、なんとかしなきゃって思ってるんです。

だから新しい販売チャネルを開拓して、一気に売り上げをあげたいと思っているんです。

具体的には百貨店に大量に卸すことができれば、今後も安定するんです。

どうしたらうまくいくか教えていただけませんか?』

 

若い経営者ですが、素直さ、バイタリティにあふれる、なんか力になってあげたい、そう思わせる魅力的な人でした。

まず考えられてきた、『対策についての実現可能性、その有効性を協議』した結果、妥当ではなさそうだ、となりました。

別の有効な対策を導かなければなりません。

 

会社の強み、商材の強み、そして、『なぜその事業に取り組んでいるのかといった真の目的(大切なこと)』を伺いました。

その(大切なこと)を軸に考えていった結果、対策は『百貨店への販売チャネル開拓』でなく、『新規事業の立ち上げ』へと対策は根本的に変わりました。

投資のリスクははるかにそちらの方が高かったのにです。

 

年商1000万の事業から、初期投資のかかる新規出店、しかも新規事業、このリスクは想像に難くないと思います。

ところが、ご本人はすっきりしたご様子。

 

新規事業助成金申請まで1週間という短時間で、事業構想と計画を練り上げ、競争を勝ち抜き、500万円を獲得、その翌年、さらに3000万円を獲得、パートだった子たちを正社員に登用し、事業規模たるや1000万円の個人商店から1億規模に成長、今では新規事業に夢中です。

さらに、よき伴侶を得られご結婚、そのお相手はなんと、不動産資産を保有する人でした。

もし百貨店へのチャネル開拓を選択していたなら、悲惨な現実に見舞われ、よき伴侶との結婚さえなかったかもしれません。

 

このケースの場合、本質的な問題は『すべきことがあったにも関わらず事業の目的を見失いかけていた。』こと。

問題はいつも、『大切なことを見失ったとき』にやってきます。

目先の売り上げに、心を奪われ、業績が悪くなっていけば、不安にかられ、対処療法でなんとかしようとしてしまう、よくあることです。

 

このケースでは8か月間、月あたり2244千円で、9000万円の業績アップ。

もちろん、ご本人の努力があってこそのことです。

単純に費用対効果を計算すると、369倍、36,900%(笑)

こんな現象を世の中では、レバレッジと呼んでいるそうです。

 

何も不思議なことでは、ありません。

 ほんとうに大切なことに集中し、強みに集中すると、テコの原理のように、急成長、急回復、が実現されます。